「野ばら」小川未明

今年のリサイタルでは9作品を朗読しますが、その中でももっとも世界中の朗読者に愛されている作品の一つが、小川未明の「野ばら」です。

「wild roses」と翻訳もされています。

タイトルが美しく可憐ですから、ロマンチックな物語を想像してしまいますが、読んでみるとそれは二人の男性~年配者と青年~の思いやりあふれた友情が描かれていることに少し驚きます。

二人は兵士なのです。

温かく、遠い昔にそんなことを経験したことがあるのではないかと思うような、デジャブ的な、懐かしく切ない物語です。

メンデルスゾーンの優しいピアノサウンドが、花が咲き鳥が歌う天国で遊んだ、あの二人の日々の想い出をフラッシュバックさせてくれます。

このお話を思う時はいつでも、胸がいっぱいになります。

どうぞご期待下さい。

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