「牛女」小川未明

小川未明は「日本のアンデルセン」ともいわれる、児童文学の作家です。

「牛女」はあまり読まれる機会がないのですが、私はこのお話が好きで、これまで桔梗組では「注文の多い料理店」や「入れ札」など、強い印象のお話を読んできたので、今回は新しい分野を経験してほしいという気持ちがあり、このお話を選んだのです。

「牛女」は、新潟に伝わる昔話を未明がお話に仕立てたものだといわれているようです。

貧しい母と幼い息子の苦しい環境でのけなげな暮らし、病で息子を残し逝かなければならない牛女の母心、

村の人々の愛情、息子の改心…。

今日初めて目を通した生徒さんの一人は、目を真っ赤にされて泣きながら読まれていました。

ちょうど今、小学生のお子様をとてもかわいがって大事に育てていらっしゃるお母様ですから、牛女の気持ちに共感されたのですね。

牛女は、冬になると、雪形(ゆきがた)として息子を見守り、息子もそれを観ながら母を恋しく思うのでした。

素直な心で読むことのできるお話だと思います。

ご興味のある方は、青空文庫で検索するとすぐ読むことができますよ。

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