青空文庫朗読コンテストで光るために

【この記事でわかること】
1、コンテストの朗読
2、朗読時のビジュアル

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夏のコンテストシーズンを前に、皆様の朗読熱も盛り上がってきていること思います。

先日、NPO日本朗読文化協会の「第9回朗読コンクール」のお知らせが届きました。今年2回目のコンクールを開かれるのだなと、びっくりしましたが、ここのところの朗読ブームを考えると、それもわかります。

できるだけ多くの方に、機会を持ってもらうことで、練習の励みにしてもらいたい、朗読をずっと続けて楽しんでもらいたい、という気持ちは、朗読に携わる人に共通しているのだなと思いました。

先日、青空文庫朗読コンテストの東京会場予選があり、早くも11月本選の出場者が選ばれましたね。

私は昨年の東京予選にエントリーしまして、本選への切符を早い時期にいただくことができ、とてもうれしかったのを覚えています。

その時の経験をもとに、ご希望の方にはコンテストに向けたレッスンをさせていただいているのですが、今日は、朗読のコンテスト、コンクールについて、少しお話してみたいと思います。

*録音予選、立ちで読む会場予選、本番のステージ読みの違い

コンテストに本気で取り組んでいる方は、全国どこにでも足を運んでいらっしゃいます。そのための練習に、一定期間に自分のすべてを朗読に捧げて、時間も費用も惜しまないまっすぐな姿勢には、本当に感動します。

去年は本選で優勝したのに、今年は予選を通らなかった・・、ということもあるのが朗読コンテスト。

いったい何がよくなかったのか、自分ではわからない!

どうしてでしょう、次のコンテストではどうしたらいのでしょう?というご相談をいただくこともあります。

コンテストは、上手な人が入賞するというわけではなく、その時集まった応募者の中で、審査審の心をつかんだ人が入賞するので、今回ダメだった理由を考えるよりも、次の課題文を自分なりに表現することを考えると良いですと、お話しさせていただいています。

そこで気持ちを切り替えられて、別のコンテストで本選出場を果たされた方がいらっしゃると、私もその純粋で潔い前向きな姿勢に、学ばされますね。

さてほとんどの予選は録音を送ることで始まります。

すると、審査員は送られてきた音声を、座って。「仕事として」聴くことになります。まとまった人数の朗読を次々と聞いて採点していく作業を想像してみると、、、、

う~ん、大変そうですよね。

一つ一つを味わうことが難しそうです。

むしろ心にキュッとする瞬間を1回でも感じることで、その読みに「惹かれてしまう」ような感じになるのかもしれません。

水面にその一滴を落とす読みができるかどうかが大事なポイントになりそうですね。

一方で会場予選では、読み手は立って朗読します。

審査室のドアを開けて、ご挨拶し、審査員と会話もします。

お互いに、親しみを感じられると、リラックスしてよい時間を過ごせますよね。

そこで課題を読むわけですので、録音の時のような「静寂の中で自分の声を聴く」内側にこもる意識とは違い、目の前の聴き手に向かって語り掛ける、しかもそれは狭い空間で、閉じられた部屋で、「あなただけに気持ちを打ち明けたい」という特別な親密さがあると、聴き手も真剣に耳を傾けてくれるのではないでしょうか。

本番のステージ読みは、不特定多数の方に、壇上から訴えかけることになります。

これはもうパフォーマンスですね。

聴き手は何を望んでいるのか、読み手にどうしてほしいのか、それを物語の中でどう表現すれば、うまく伝わるのか?

間違えないように読もうとか、入賞したいとか思う自分の意識がなくなって、自分を通して物語が再現されていくように、自分を捧げるような気持になって、会場全体が、一緒になって物語を味わうことができたら、素晴らしい時間ですね。

以上のように、コンテストでは、いつものように教室でお稽古するのとは違った観点が、なかなかにたくさんあるものです。

目的に合った練習方法で、繰り返し読み、聴き、修正することを繰り返して、自分の望む結果につなげましょうね。

*コンテストのためのお稽古・ビジュアル編

「海のまち朗読館」ではいつもお話していますが、特にコンテストで読み手は、聴き手の「良いガイド役」でありたいものですね。

自分の見せ方も大事です。美術館や観光地のガイドさんが、いつもうつむいて恥ずかしそうにしていたら、「具合でも悪いのかな?」と心配で話しかけることも遠慮してしまいますよね。

朗読も同じです。

元気玉を聴き手にポンポン手渡す気持ちで、しっかり両足で立って読みたいものです。

人から見た自分の姿、 第一印象=ファーストインプレッションが聴き手の気持ちをキャッチしたら、「とりあえず最後まで聞いてあげようかな」と思ってもらえます。

これは一人で録音するときも同じです。

できれば立って録音すると、座って読むとき以上に、腹式呼吸が自然にできて、しっかり地声を出すことができるものです。

会場予選の場合は、 自分の姿を録画して、他人の目から見た自分の姿を 何度も点検するようにしましょう。

チェックするポイントは 次の5つです。

1 表情  明るく生き生きとしてみえるとよいです

2 声のトーン  はっきり聞こえるように

3 頭を動かすことで拍子を取らないようにしましょう

4 姿勢  猫背になったり左右に曲がっていないか確かめます

5 ファッション  肌の露出が少ない、明るい無地系の服

5番めのファッションですが、私は朗読会に出演する方にはモノトーンを推奨していますけれども、コンテスト本選では、白またはパステルトーン、あるいは原色の無地系がおススメです。

強いステージライトに映える色がいいですね。

肌は精神状態を主張しますので、できるだけ隠すファッションが、結局は自分を助けてくれるものです。

一方で髪は動きのないスタイルがよいです。

結んだり、止めたりして、やはり主張を抑えましょう。

撮影した姿を自分で見たり、 人に見てもらうととても良いですね。

自分の姿が人にどのような印象を与えるか 意識することがないまま、テレビで見るタレントさんの服装を参考にしてしまうのは危険です。

画面で写っていませんが、タレントさんにはスタイリストがぴったりついていて、胸のあいている服など、左右どちらかだけ空きすぎていないか、ロングヘアの場合は、一部だけ偏って見えないように、常に一番きれいに見えるよう、カメラの向いていないときにさっと直しに来たり、ペンダントがちゃんと真ん中に落ちているように、とにかくありとあらゆるものが、「一番美しく見える位置にあるよう」常に整えているのです。

綺麗なのも当たり前で、ふつうではありえないのですよね。

朗読で聴き手の心をつかみ、しかも自分の読む姿で好印象を与えるというのは、なかなか難しいものです。

でも、こういうところを工夫して挑戦するのもまた、非日常の楽しい経験ですから、ぜひ今日の記事を参考にされ、皆様もやってみて下さいね。

ちなみに写真は去年の青空文庫朗読コンテスト本選です。

この日は、赤のハイネックのワンピース、シングルの紺ブレ、黒30デニールタイツ、黒エナメルのローファー。

前から見ると紺ブレから赤のワンピがのぞきます。

ご参考まで。

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