「朗読ステップアップコース」へのお問い合わせが多くなっております。
関心をお寄せいただいて、とてもうれしく思います。
このコースは、私が大学1年の時、話す仕事に就きたいと思って、都内の、あるアナウンス系のスクールに通ってすぐの頃からずっと持ち続けていた疑問に、自分なりに答えを出したくて作った講座なんです。
よかったら、少し私のストーリーにお付き合いください。
私の知りたかった答え、叶えられなかったこと
私はアナウンサーになりたいと思っていた割に、シャイでクールな面があり、演劇部とか放送部などの表現をする集団が苦手で、みんなで「あえいうえおあお」など放課後練習しているのが聞こえると、自分が赤面してしまうタイプでした。
教科書を読んだりするときも、大きな声ではきはき読むなんてとても無理で、できるだけ目立たないように地味にぼそぼそ読んでいました。
運動部(中学陸上部・高校卓球部・そのほかフェンシング部マネージャー・テニス・水泳・スキーサークルなど)だったからかもしれませんが、文化祭などでクラスメートが出ている劇など、なぜか自分が恥ずかしくなってしまい、観られませんでした。
(ちなみに文化祭では、陸上部でおもしろいお化け屋敷などをプロデュースしていました)
将来はアナウンサーになろうと思っていたので、大学に入ってアナウンススクールに行ったんです。ここはサークルではないから、全員で発声練習なんてダサいことはしないんだろうと勝手に安心して入学しましたが、なんと半分以上の時間がボイトレに充てられていて、憮然としたものです。
教室にはたくさんの生徒がいたので、授業内で読める時間、先生に聞いてもらえる時間は一人2,3分でした。
だからみんな、少しでも読む時間を増やそうと、始まる前に早くから集まって、自主的に練習していました。
すごく大きな声で誰も聞いていないのに情熱的に教科書を読むみんなの中で、私は恥ずかしくてその場にいるのが苦痛でしたが、アルバイトのお金で学費を半年分払いこんでいたので、もったいなくて休めないからちゃんと通ったんです。
みんな初対面でもものすごく盛り上がってすぐ打ち解けていました。
そういう世界に違和感がありましたが、「これに慣れたらアナウンサーへの道が開けるんなら自分もそうしよう」と決意して、自分を捨てて(笑)輪の中に入る努力をしたものです。
先生の講義は、「もっと気持ちを込めて」とか「感情が伝わるように読んでみて」ということを、一人一人に言う形式でした。
「どう読めば気持ちがこもるのか」
「どう読めば感情が伝わるのか」
「どう読むと気持ちがこもらないのか」
「どう読むと感情が伝わらないのか」
については、全く言及がなかったです。
それを質問したこともありますが、
「自分で考えましょう」という答えでした。
それならスクールや先生は何のためにあるんだろう
と思ったものです。
自分で考えるにしても、どう考えたらいいのか全く分からないから来ているのに、方向性すら教えてくれないわけで、こんなにたくさんいるのに誰一人アナウンサーになれそうな人がいない理由が少しわかった気がしました。
何年も通っている人たちが先生と仲良くしているのを見て、もっと先生と親しくなって名前を覚えてもらったりすれば、ちゃんと教えてくれるのかもしれないと思いましたので、講義のあとのお茶会に同行したりしましたが、
半年くらい通ったところで、周りの様子もわかってきて、なんというか、
何にもならないなと思って辞めました(笑)
19歳でキャッチしたこの感覚は、その後もしゃべることを学ぶとき、ずっと続きます。
~to be continued